医局人事を拒否できる根拠と医局人事を断る際の注意点について

医局人事は拒否できる?断る時の注意点を解説します

結論、医局人事は拒否できますが、医局を抜ける覚悟が必要です。

望まない医局人事を断るためには、事前の準備をしておくことが大事です。

本記事ではどのように準備したらいいか、簡単な方法を解説します。

この記事を読むとわかること
  • 医局人事を拒否していい根拠
  • 医局人事を断る時の注意点
  • 医局に対して強気に出るための準備方法
外科医aru

地方旧帝大医学部卒業。外科医を全力で務めあげたのちに、脱医局、転職。医師の転職の素晴らしさに気づき、同じように人生がより良いものになる医師を増やしたいとの思いで情報発信しています。

医局人事を断るためには、転職エージェントを利用して自分で就職先を自由自在に決められる状況にしておく必要があります。

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医局人事を拒否していい根拠

病院を移ることは自由意志

法的な観点からは、医局人事は関連病院に医師を推薦するという役割にとどまり、病院を移ることはあくまでも医師個人の自由意志に基づいていることになってます。

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実情と随分違いますね。以下で詳しく解説していきます。

法的な観点から医局人事とは何か

医局について、司法の判断は、

医局とは、大学医学部の講座に対応して存在する医師の団体であり、大学の附属病院などの右講座に対応する診療科では、医局の場において教育、研究、診療等が行われている。医局の最高責任者は教授であり、その下で医局長が実務的な運営を行っている。

奈良地裁 平成9年12月24日判決 榛原町立榛原総合病院事件

というものでした。

医局人事については「医局に関連する病院に医局員(医局に所属する医師)を推薦」することと定義しています。

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あくまでも推薦であって、実際に異動するかどうかは医師の自由意志という体裁になっています。

医局人事に法的拘束力はない

先ほど榛原町立榛原総合病院事件での判決を引用しましたが、この事件に関してもう少し詳しくみていきます。

事件の概要

原告の医師(医師A)は、医局人事により町立病院に採用されて、内科の医師として勤務していました。

医師Aは諸事情から医局を辞めましたが、町立病院を退職する意思はありませんでした。

医局は辞めたが、医局人事により入職した病院は辞めたくないというケースです。

医局の教授は、

  • 医師Aが町立病院を退職する
  • 医師Aの医師が県立医大へ転勤する
  • 町長が医師Aの町立病院の辞職承認をする

ように命じました。

これを受けて町長は、医師Aを辞職承認処分としました。

医師Aはこれを不服とし、辞職承認処分の取消し等を求めて訴訟を起こしました。

司法の判断

判決文では「医局の人事異動」については、

「医局が医局員(医局に所属する医師)を派遣すべき病院を推薦し、医局員が推薦に従い、関連病院との間で雇用契約を結んだり、関連病院の設置管理者である地方公共団体との間で公務員として採用されたりしている慣例を指すに過ぎないものである。」

と判示しました。要するに、

「医局人事」を「医局に関連する病院に医局員を推薦すること」と定義しました。

さらに医局が医局員に対して別の勤務先等を推薦あるいは指示したからといって、病院との雇用契約や病院内での地位が失われたりする筋合いのものではないと判示しました。

つまり、医局人事を断っても現在の就職先である病院を追い出されることはなく、地位を失うこともないということです。

外科医aru

医師の雇用契約はあくまでも病院と交わしているものであって、医局とは法的な契約はない場合がほとんどです。言ってみれば「当たり前」の判決です。

医局は違法な組織?

医局は事実上は医師の人事権を握っていますが「労働者供給事業」は、法律で禁止されています。

「労働者供給」とは、「供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させること」を意味します。(職業安定法4条8項)

つまり、医局員が医局からの指示・命令で病院を移っているとみなされる場合、医局は「労働者供給事業」とみなされて違法な組織ということになります。

あくまでも医局員の自由意思に基づいて関連病院内をローテートしている体裁なのです。

あれ?自由意志じゃないと違法なら、もう医局は違法組織なのでは?

外科医aru

医局人事は拒否できます!

医局人事を断る時の注意点

医局人事を断ることは法律的に全く問題がないことを解説しました。

しかし、実際に医局人事を断ると現実的にはいろいろな問題が発生します。

  • 医局を辞めないといけない可能性がある
  • 医局からの就職先の紹介が受けられなくなる
  • キャリアプランを自分で練る必要がある
  • 「どろっぽ医」となることで医師から見下される?

これらについて解説していきます。

外科医aru

どれも意外と簡単に対応できる問題です。

医局を辞めないといけない可能性がある

医局人事を拒否して現在の病院に留まることは可能であることは解説しました。

しかし、医局人事を断ったことで医局を辞めさせられることはあります。

また、現実的には現在の病院に留まることは「医局に逆らった人」のレッテルを貼られて心情的には難しい事が多いでしょう。

外科医aru

医局人事を断ったら、医局に頼らずに自分で就職先をみつけて転職する医師が多数派です。

医局からの就職先の紹介が受けられなくなる

医局人事を断るということは就職先の紹介を断ることになります。

医局人事を断っても他の病院を紹介してくれたらいいですが、そうはいかない事が多いです。

自分で見つける必要が出てきます。

キャリアプランを自分で練る必要がある

医局に所属していたら、医局の指示に従っていれば自然とキャリア形成ができます。

医局人事を断った場合はキャリアプランを主体的に考えていく必要が出てきます。

「どろっぽ医」となることで医師から見下される?

医局人事を断って医局を辞めた場合、「ドロップアウト」し「どろっぽ医」になります。

見下されそうなイメージがありますよね?

医局の関連病院で働き続けた場合は見下されるかもしれませんが、医局の外に出てみてください。

むしろ「行動力のある医師」として一目置かれることの方が多いです。

医局の関連病院から出てしまえば「どろっぽ医」だからと言って不利になることなんてありません。

医局人事を断るための準備

準備すること

医局人事を断る際は、医局を抜ける覚悟が必要です。

  • 自分でキャリアプランを練っておく
  • どのような就職先がいいか考えておく
  • 医局人事を断ったらすぐに応募できるように求人を確認しておく

医局人事を断らないといけない状況になる前にこれらのことを準備する必要があります。

なんだか大変な気がしますか?ハードルが高いですか?

実はすごく簡単です。

医師専門の転職エージェントを利用しましょう。

準備は転職エージェント利用で簡単に

  • 自分の希望に沿った就職先の紹介
  • 就職活動のサポート
  • キャリアプランの相談
  • 退職・退局に関する相談

全て行ってくれます。医局人事を断る準備をするための良いパートナーになります。

全部自分でやると大変なのですが、プロに相談すると本当に簡単です。

億劫になりがちな、退職や退局の相談もできてしまいます。

準備し終えた時に気づくのは、

「あれ?医局って自分に必要なの?」

という疑問だと思います。

この疑問にたどり着くと医局を抜けて、より良い医師生活を手にいれることになります。

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自分主体でキャリアを決めたり働き方を決められるのは控えめに言って最高です!

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医局に所属し続ける選択が最良か考える

医局と転職エージェントの比較

就職先の斡旋組織としてみた時に、令和現在、医局は転職エージェントには敵いません。

一昔前までは、専門医などの資格を取る場合に医局に所属していないと難しかったようですが、今はそんなこともありません。

もはや転職エージェントと医局は「スマートフォン」と「ガラケー」の関係性に近いです。医局はすでに衰退していますが、今後その傾向が加速するでしょう。

医局に所属するメリットは、自分で何も考えなくても事が進んでいく事です。

医局に言われた通りにしておけば、とりあえずなんとかなる。

裏を返せば言われた通りにしないといけない。自由度が低い。

勤務条件
エージェント
◎

希望条件に合った求人を厳選してくれる。
給料は高く、勤務時間は短い傾向。
医局
△

希望条件の病院に異動できるかは運次第。
給料は低く、勤務時間は長い傾向。
勤務地
エージェント
◎

全国展開しているエージェントなら
好きな勤務地を全国から選べる。
医局
△

医局関連病院のある範囲のみ。
行きたくない地に急に赴任させられることも。
病院を変わるタイミング
エージェント
◎

好きなタイミングで転職可能。
ライフプランに沿って職場を選べる。
医局
△

医局の都合で時期が決まる。
家族がいると迷惑がかかる。
キャリア
エージェント
◎

自分で描いたキャリアを歩める。
エージェントが相談にも乗ってくれる。
医局
△

医局が描いたキャリアを歩む。
自分のやりたい分野がやれないことも。
情報収集
エージェント
◎

さまざまな医療機関とつながりがあるため
リアルな情報が手に入りやすい。
医局
△

医局の関連病院の範囲内のみで可能。
情報の鮮度が低く不正確なことも多い。
自由度
エージェント
◎

希望を伝えて、それが叶うように調整してもらえる。自由度は極めて高い。
医局
△

希望が言えても医局の都合が優先されがち。
自由度は極めて低い。

転職エージェントの圧勝。

所属している医局を抜けるというのは億劫かもしれません。

しかし、自分で主体的に職場やキャリアを決められるメリットは非常に大きなものです。

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「王道」医局勤務医を続けるべきか

医局人事のこと以外にも、働き方に不満のある医局勤務医は多いと思います。

その不満は自分で行動しない限り解決は難しいです。

「王道」医局勤務医はどんどん不遇になっていきそうです。

こちらの記事で詳しく解説しています▼

筆者の出した結論

医師はみんな転職エージェントを利用するべき

私は転職エージェントを利用して「どろっぽ医」になりました。

  • 労働時間半分
  • 給料2倍
  • 仕事内容もより自分に合ったものに

を実現して、このことで

  • 時間に余裕ができて家族の時間が増えた
  • 激務から解放されて体調が良くなった
  • お金にも余裕ができて少し贅沢な家族旅行へ
  • 仕事の時間もより楽しくなった

プライベートも仕事も充実!健康に!

医局の存在意義が危ういと感じました。

そして医局という「泥舟」に乗っていては沈没してしまうと。

医局員のみなさまは望まない医局人事を突きつけられた時に拒否できるように準備をしておくべきです。

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外科医aru

運よく有利な人事で動けたら医局に居続けることもいい選択になるかもしてませんが、「準備」は「今から」しておいて損はありません。

まとめ:医局人事を拒否する準備をしよう

いつ理不尽な医局人事を突きつけられてしまうとも限りません。

「備えあれば憂いなし」

医局以外にも就職先を紹介してくれる味方を持ちましょう。

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研修医の先生へ

これから医局を選ぶ研修医の先生は、転職エージェントにも登録しておきましょう。

医局に不満が出てきた時にすぐに辞められるように準備しておくといいです。

さいごに

結論です。

  • 医局人事は拒否できる
  • 医局人事を拒否する準備をしておく事が大切
  • 準備の方法は「転職エージェント」に登録すること

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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医局人事は拒否できる?断る時の注意点を解説します

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この記事を書いた人

地方旧帝大医学部卒業。外科医を全力で務めあげたのちに、全力で脱医局、転職を果たしました。医師の転職の素晴らしさに気づき、同じように人生がより良いものになる医師を増やしたいとの思いで情報発信しています。

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