後期研修医・専攻医とは【年収、初期研修医との違いについて解説】

後期研修医・専攻医とは

「後期研修医・専攻医」とは何か、初期研修医との違い、そして年収について詳しく解説していきます。

初期研修医や医療関係者のみなさまはもちろん、医療関係者ではない方もぜひ最後までお読みください。

外科医aru

旧帝大医学部卒業後、田舎の忙しい基幹病院で研修医として就職。そのまま外科医となり、2度の転勤を経験。最新のロボット手術にも携わり、手術執刀経験は500件超え。夜間緊急手術も大好きなバリバリの外科医でした。

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後期研修医・専攻医とは?

後期研修医とは?

後期研修医とは、初期研修を終えた医師がさらに専門性を深めるために行う研修の段階を指します。初期研修を終えた後、医師は自分が専門とする分野を選び、その分野の専門知識や技術を磨くために後期研修を行います。

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一般的に「研修医」は「初期研修医」のことを指します。後期研修医は初期研修医の次のステップです。

専攻医とは?

専攻医は、後期研修医と同じ段階にいる医師を指すことが一般的ですが、専攻医という用語は特に「専門医を目指して特定のプログラムで研修を行っている医師」を意味します。後期研修医が「研修」という一般的な用語であるのに対し、専攻医はその専門性を具体的に示しています。

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「後期研修医」と「専攻医」は同じ意味で使われています。

医療ドラマでよく出てくる呼び方

初期研修医

  • 研修医
  • レジデント

後期研修医・専攻医

  • シニアレジデント
  • フェロー
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初期研修医も後期研修医もいろいろな呼び方があります。

初期研修医との違い

研修内容の違い

初期研修医は、医師免許を取得したばかりの医師が、医師としての基本的な知識と技術を習得するための研修を行います。初期研修では内科、外科、小児科、産婦人科など、様々な科をローテーションし、幅広い医療知識と技術を学びます。

一方、後期研修医・専攻医は、自分の専門とする分野に特化した研修を行います。例えば、外科医を目指す医師は外科に専念し、手術の技術を磨きます。

役割と責任の違い

初期研修医はまだ医師としての基礎を学んでいる段階のため、上級医師の指導のもとで業務を行います。診察や処置を行う際には、必ず上級医師の確認を受ける必要があります。

後期研修医・専攻医は、より高度な知識と技術を持っているため、初期研修医よりも自律的に業務を行うことが求められます。場合によっては、自分が指導する側になることもあります。

年収について

初期研修医の年収

初期研修医の年収は、病院や地域によって異なりますが、平均的には400万円から500万円程度です。研修病院の規模や立地、研修内容によって多少の違いがあります。

後期研修医・専攻医の年収

後期研修医・専攻医の年収は、初期研修医に比べて高くなります。平均的には700万円から900万円程度ですが、これも病院や専門分野、地域によって異なります。特に、夜間勤務や休日出勤が多い科の場合、年収が高くなる傾向があります。

年収に影響を与える要素

後期研修医・専攻医の年収にはいくつかの要素が影響します。

例えば、

  • 勤務する病院の規模や立地
  • 勤務時間
  • 専門分野(診療科)
  • 研修の内容

などです。

また、医師としての経験年数やスキル、資格取得の状況も年収に影響を与えます。

後期研修医・専攻医になるためのプロセス

初期研修の修了

後期研修医・専攻医になるためには、まず初期研修を修了する必要があります。初期研修は通常2年間行われ、この間に医師としての基礎をしっかりと身につけます。

専門分野の選択

初期研修を終えた後、医師は自分が専門とする分野を選びます。この選択は医師のキャリアにおいて非常に重要であり、慎重に行われます。専門分野を選ぶ際には、自分の興味や適性、将来のキャリアパスなどを考慮します。

医局の選択または転職エージェントの活用

この段階で「医局」に所属する事が多いです。医局の選択もキャリアパスの鍵になります。医局に専門分野の研修病院を斡旋してもらう流れになります。

しかし、近年では医局に頼らなくても「転職エージェント」により病院を探すことが可能になり、医局に所属しない選択を取る後期研修医・専攻医も増えています。

医局についてはこちら▼
医局とは何か【存在意義が危うい!?医師がわかりやすく徹底解説】

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いきなり「医局に所属しない」選択肢を取るのは難しいかもしれません。筆者は医局と「転職エージェント」の併用をおすすめします!選択肢は多い方がいい!

後期研修先を探すのにおすすめの転職エージェントはこちらの記事で徹底解説しています▼

専門医プログラムへの応募

専門分野を選んだ後は、各病院や大学が提供する専門医プログラムに応募します。専門医プログラムは、専門医資格を取得するための研修プログラムであり、3年程度の専門的な研修を行います。

専門医プログラムは「専門医制度」のもとに管理されています。実は問題だらけで、医師からの評判は悪い制度です。

詳しくはこちら▼

専門医資格の取得

専攻医プログラムを修了した後は、専門医資格を取得するための試験を受けます。この試験に合格することで、正式に専門医として認定されます。

後期研修医・専攻医のキャリアパス

専門医としてのキャリア

専門医資格を取得した後は、専門医としてのキャリアが始まります。専門医は、その分野における高度な知識と技術を持っており、病院やクリニックで活躍します。また、専門医資格を持つことで、より高い年収や職業的な安定性を得ることができます。

サブスペシャリティを身につけて専門性を深める

専門医としてのキャリアを積む中で、さらに専門性を深めるための研修や学習を続けることも重要です。「サブスペシャリティ」を選択し、より狭い範囲を深く掘り下げます。

これにより、より高度な医療を提供することができ、自分自身のキャリアをさらに発展させることができます。

例えば、「外科専門医」取得後に

  • 消化器外科
  • 乳腺外科
  • 小児外科
  • 心臓血管外科
  • 呼吸器外科

などのサブスペシャリティを選択します。

教育や研究の道

専門医資格を持つ医師は、教育や研究の分野で活躍することもできます。大学や医療機関で後輩医師の教育に携わったり、研究プロジェクトを進めたりすることで、医療の発展に貢献することができます。

後期研修医・専攻医の魅力と課題

魅力

後期研修医・専攻医としてのキャリアには、多くの魅力があります。

  • 専門分野における高度な知識と技術を習得できること
  • 自分の興味や適性に合った分野で働けること
  • 職業的な安定性を得られること

などです。

また、専門医資格を取得することで、医療の最前線で活躍するチャンスが広がります。

課題

一方で、後期研修医・専攻医としてのキャリアには、いくつかの課題もあります。「専門医制度」「医師の働き方改革」の悪影響が大きいです。

厳しい研修と試験

例えば、内科では経験した症例のレポートなど、外科では多岐にわたる手術の執刀や助手を行うことなど厳しい条件をクリアする必要があります。

また、試験がありますが、日常診療を行いながらの試験勉強はハードです。

転勤の強制

内科や外科などの専門医プログラムでは2つの病院での研修を条件としており、転勤が発生します。

しかも、2つ目の病院は半年や1年などの短期間です。1つ目の病院に戻らないといけない場合が多くて行って帰ってくるで、短期間で2回転勤させられることが多いです。

医局に所属している場合は専門医取得後にすぐに次の病院へ派遣されることもあり、短期間で3回の転勤となることも珍しくありません。

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医師の転勤は引越し代は出ないことが多く、ボーナスもなくなるなど非常に不利に働きます。家族がいる場合は家族に大迷惑。

労働時間が長い

後期研修医・専攻医は医師の中でも最も労働負担が大きい時期です。

夜間勤務や休日出勤が多く、疲弊している場合も多いです。

こちらの記事で、筆者の外科専攻医時代の1週間を徹底解説しています▼

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後期研修医・専攻医の働き方の参考になる記事です。

まとめ

後期研修医・専攻医は、初期研修医とは異なる段階であり、専門分野に特化した研修を行う医師を指します。年収も初期研修医より高く、専門医資格を取得することでさらなるキャリアの発展が期待できます。しかし、その一方で、長期間にわたる研修や試験、労働時間の長さなどの課題もあります。

医師としてのキャリアを考える際には、自分の興味や適性、将来のビジョンをしっかりと見据え、後期研修医・専攻医としての道を歩むかどうかを慎重に判断することが重要です。この記事が、皆さんのキャリアの選択に役立つ情報を提供できれば幸いです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

後期研修医・専攻医とは

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この記事を書いた人

地方旧帝大医学部卒業。外科医を全力で務めあげたのちに、全力で脱医局、転職を果たしました。医師の転職の素晴らしさに気づき、同じように人生がより良いものになる医師を増やしたいとの思いで情報発信しています。

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