これが医師の多数が歩む「王道」と認識されています。
医師が「王道」を歩めば、文句のない収入を得られ、やりがいと社会的な評価も得られる。
今まではそうでした。
しかし、医師が「王道」を歩んでおけば大丈夫というわけではなくなる未来が、もう近くまでやってきています。
なぜか?
本記事では以上の内容を解説していきます。
「王道」勤務医は収入、やりがい、社会的評価の面で、今後どんどん弱くなっていきます。
理不尽な訴訟のリスクもあります。
この流れを読んですでに自らの環境改善のために転職(医師としての働き方を変える)を行う医師が増えています。
「王道」勤務医以外ならまだまだ医師は強い職業です!ぜひ転職の「検討」だけでもしてみてください。
あなたも転職して「どろっぽ医(医局から離れた医師)」になりませんか?
記事の最後で研修医がこの時代にどのように行動するべきかも解説しています。
旧帝大医学部卒業。外科医を全力で務めあげたのちに、脱医局、転職。医師の転職の素晴らしさに気づき、同じように人生がより良いものになる医師を増やしたいとの思いで情報発信しています。
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どんどん悪化する医局勤務医の待遇
- 医師の働き方改革
→労働時間はそのままに給料が減少 - 診療報酬改定
→インフレ率を大きく下回る改定
医師の給料の相対的な減少 - 医局の衰退
→人員不足によるさらなる激務化
条件の悪い病院への異動が増加
高齢化による患者数の増加、医師の人員減少により労働時間は増加。厚生労働省や財務省の施作により医師の収入は減少します。
医師の働き方改革
本来は医師の長時間労働の是正のための改革であった「医師の働き方改革」
その実態は労働時間を減らさずに「労働していないこと」にして誤魔化しただけ。
結果的に勤務医の労働時間はそのままに給料だけ下がりました。
「働き方改悪」「働いていないことにする改革」と呼ばれています。
特に長時間労働を強いられることが多い「王道」勤務医が一番被害を受けています。
詳しくはこちら▼
診療報酬改定 2024年
保険診療は「診療報酬」により医療行為の値段が決められてます。この値段により、医師、その他医療関係者の給料が左右されます。
「診療報酬」は2年に1回見直され、改訂されます。どのように改定されたかで、国が保険医の給料を上げたいのか、下げたいのかがわかります。
2024年も診療報酬改定が行われました。改定率が+0.88%で、全体としては少し診療報酬が上がりました。
これで、「上がったじゃん!!」は浅はかです。ちゃんと考えましょう。
日本は23年度のインフレ率は+2.7%、24年度のインフレ率(予測)は+2.5%です。
2年で+5.7%のインフレ
にもかかわらず、診療報酬本体の改定率が+0.88%ということは、
実質は2年で−4.32%のマイナス改定。
実質の診療報酬マイナス改定。今後も行政は医師、その他医療関係者の給料を実質削っていく方針のようです。
見せかけのプラス改定で誤魔化そうとしているところに悪意すら感じます。政府とマスコミの悪だくみはうまくいって世論は「プラス改定」だと思っています。
特に医師は世間からは「高収入」というイメージがあり、給料を削られやすい立ち位置にいます。
「王道」の医師は取り残されて、低収入な職業になりそうです。
会社員の方はどうかというと、2023年春闘でのベアは平均3.58%、2024年は平均3.2%とインフレ率を上回る給料の上昇がありました。
春闘でのベア とは
「春季生活闘争」による会社員の給料の上昇率のこと。毎年2、3月に労働組合が企業に賃金を含めた労働条件に関して改善要求を行う。
苦しい医局人事
もともと医局員の事情などお構いなしの医局が多い。
そんな態度を続けた結果、医局に所属しない医師が増加し人員不足に。
より苦しい医局人事を強いられるようになっています。
待遇・条件が悪い病院ほど辞める人が出て、その補充に充てられる危険性があります。
- 給料の低い病院に異動になる
給料が安定しない。家族に迷惑がかかる。 - 症例が少ない小さい病院に異動になる
キャリアが安定しない。急にやりたい医療ができなくなる。 - 急に遠方に飛ばされる
居住が安定しない。家族に迷惑がかかる。
なんとなく医局に所属している先生は一度、メリット・デメリットの整理を!
保険医療の将来性のなさ
保険医療の仕組みは「オワコン」です。
勤務医の給料は減少し、社会的評価まで失っていくことになりそうです。
オワコン とは
「終わったコンテンツ」の略で、ネットスラングのひとつです。時代にそぐわないものを指します。うまくいかない絶望的な状況を指すこともあります。
問題だらけの国民皆保険制度のせいで収入減少
もともとの制度の仕組みに問題があり、国民皆保険制度は崩壊の危機があります。
「国民皆保険制度」「少子高齢化」「民主主義」の3つが揃うことで非常に危機的な状況です。国民皆保険制度の崩壊どころか、日本沈没もあり得ます。
厚生労働省と財務省は、国民皆保険制度の崩壊を避けるために、保険医の収入減で調整しようとしています。
先ほど説明した、「医師の働き方改革」「診療報酬改定」ですね。
詳細はこちら▼
公費を使う仕事がゆえに社会的評価も失われる
保険医は国民皆保険制度のもとで、公費(国民から集めた税金・保険料)を使って仕事をしています。
少子高齢化により公費の資金繰りが苦しくなっています。
国民から集めた税金・保険料を無駄遣いする医療を、医師が行なっていると、批難の声があがりつつあります。
社会的評価も失われつつあります。
公費を無駄遣いする「過剰医療」があることは確かです。それは制度と司法の責任が大きいです。しかし残念ながら世間から見ると、医師が悪いようにみえるのです。
「過剰医療」の例としては、
- 寝たきり高齢者への延命治療
- 湿布に代表される、保険適応薬剤のバラマキ
- 患者希望の本来不要な検査や頻回受診
- 救急車の不適切利用
など。詳細はこちら▼
勤務医のやりがい減少
社会にとって大きなマイナスになる医療を強要されている。
診療行為そのものはやりがいがあるが、社会的なことを考えるとやりがいは皆無。
むしろ公費で、こんな医療をしたくない。なのにしないと訴訟リスクがある。病院からもやれと言われる。
そんなことを考えている医師が若手を中心に増えてきています。
筆者は耐えられず転職しました。
避けられない訴訟リスク
日本は医療に対する司法の質が著しく低いため、
どんなに誠心誠意医療と向き合い、過失のない医療を行なっても「天災」のごとく医療訴訟に巻き込まれます。
医師賠償保険で金銭面は大丈夫でも、実名報道されて大きな社会的制裁を受けますし、時間もかなり取られます。
医師が悪いことをしなくても。
「過剰医療」にしぶしぶ付き合っても。
「天災」なので避けようがありません。
「天災」の少ないところへ逃げる。すなわち転職するしかありません。
医師の転職は思っているよりハードルは低く、労働時間大幅短縮、給料大幅増加が容易です。
「天災」から逃げた先には、なんと「楽園」があることが多いんですよ!
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労働時間短縮、給料増加が叶います
過去の「天災」たちは以下を参照してください
>>杏林大病院割りばし死事件【悪いのは医師?母親?事件その後について解説】
>>福島県立大野病院事件とは【医師がその内容と影響をわかりやすく解説】
>>大淀病院事件とは【毎日新聞の誤報による医療崩壊についてわかりやすく解説】
今、新たな火種もあります。(2024年5月19日記載)
>>心臓血管外科医を刑事告訴【国際医療研究センター病院の死亡事例】
進歩しない昭和な医局の文化
「王道」の「医局」勤務医を辞めることをオススメする理由に、医局の体制や考え方が古いことが挙げられます。
転職の経験を通して、医局から抜けた方が幸せになれる医師が多いと確信しました。
全ての医局が、というわけではないのですが。
実は明治時代から変わっていない
医局は明治時代に成立し、その組織としての仕組みは現在に至るまで変わっていません。
このことも医局が時代にそぐわない組織であることの一因です。
「働き方改革」失敗の要因となっている
医局の偉い人が病院長や経営に関わるポジションにいる病院が多いと思います。
大学病院も医局にどっぷりつかっていますね。
そういった病院ではどのような経営が行われているでしょうか?
従業員である医師からの違法な労働搾取を行っている病院が多いのではないでしょうか
医局の偉い人って、医師としてすごくても、経営者としては大半が無能なのです。
経営の勉強をせずに経営しているのではないかと思う病院が多いです。従業員からの搾取以外にやれることが山ほどあります。無能経営者の元で働くのはきつい。
大事な部下から搾取することでしか病院を経営できない
そんな人たちのもとで働いていて幸せになれますか?
筆者はそのような人たちに雇われて働いているというのが恥ずかしかったです。
もちろん、一部には経営者として優秀な方もいるのでしょうが、大半がダメダメ。
時代に適応しようとしない、医局の古い考え方による病院経営があるため「医師の働き方改革」は大失敗。
上が入れ替わるには時間がかかります。
「転職の検討」をしておいて嫌になったら逃げましょう。驚くほどいい環境に巡り合えますよ。
令和における医局の存在意義について
素朴な疑問として、「現代に医局はそもそも必要な組織なのか?」というものがあります。
以下は医局に関して、その成り立ちや歴史から解説し、現代における存在意義について考察した記事です。こちらも参考にしてください。
「王道」たる医局勤務医を辞めるべき理由 まとめ
- どんどん悪化する医局勤務医の待遇
- 保険医療の将来性のなさ
- 勤務医のやりがい減少
- 誠心誠意、医療と向き合っても避けられない訴訟リスク
- 進歩しない昭和な医局の文化
について解説しました。
今すぐに「転職の検討」を!
今後、どんどん「王道」の勤務医で居続けることの良さが失われていきそうです。
待遇悪化により医局に所属しない医師や、医局を抜ける医師が増えています。
残される側はどんどん不利になりますので、まずは「転職の検討」から「今すぐに」はじめましょう。
今は、医局を離れることを「ドロップアウト」、医局から抜けた医師を「どろっぽ医」「泥医」とマイナスイメージな表現を用います。
そのイメージから医局を抜けにくいと考える人が多いです。
逆に、だからこそ「今のうち」です。
今後、医局を抜けたり、入らなかったりすることがメジャーになると思われます。
その時にはもうマイナスイメージの言葉は使われない代わりに「ライバルが多すぎる」という状況になっているでしょう。
行動は遅いより早い方がいいです。
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今なら労働時間短縮、給料増加が叶います
筆者がドロップアウトして思ったこと
筆者は本記事で解説したネガティブな要素も転職を決意した大きな理由になっていますが、他にやりたいことがあったというポジティブな要素の方が大きい転職でした。
しかし、転職して思ったのは、医師はネガティブな要素だけで転職しても幸せになれるのではないかということです。
1人でも多くの医師が適切な職場を見つけて幸せになれるように情報発信を続けています。
研修医の先生へ
研修医の先生で「王道」医局勤務医は時代に取り残される存在になりそうと不安に思う方もいると思います。
ただ、最初から医局に入らずにキャリアを積めるかも不安ですよね。
令和の研修医は、入る「医局」を探しながら「転職エージェント」も利用しておくのが正解です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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